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手術、手技に関して

抜歯(ばっし)

 抜歯は顎の骨に生えている歯を抜くことですから、立派な手術の一つです。麻酔は全身にある程度の影響を与えるため、なにか病気をもっている人(有病者)、とくに心臓病や高血圧症などの循環器疾患、肝臓病、糖尿病、血液疾患などをもっている人は注意が必要です。
  健康な人でもその日の体調によって気分が悪くなったり、血圧低下を起こしたりすることがあるため、抜歯の前日は十分睡眠をとり、万全の体調の下で抜歯を受ける必要があります。
  また、抜歯前には出血傾向(出血をおこしやすい状態)にも注意する必要があります。とくに心臓疾患の際に使用する薬のなかには、血液の凝固を抑制し血液を固まりにくくする薬剤が含まれていることが多く、このような人では、担当医と十分相談してから抜歯を行なうなどの配慮が必要です。
  抜歯中は精神的緊張や局所麻酔薬の影響、とくにそのなかに含有されている血管収縮薬(けっかんしゅうしゅくやく:エピネフリン)の作用や痛みなどで血圧や脈拍数に変化が起こります。緊張したり興奮したりすると、からだの中からもエピネフリンが過度に分泌され、全身異常を起こしやすくします。
 抜歯後は患者自身が注意しなければならないことが多いため、注意事項を書いたパンフレットが用意されているのが普通です。よく読んでその指示に従いましょう。なにか異常が起こった場合には、できるだけ早めに電話などで相談するとよいでしょう。

歯根端切除術(しこんたんせつじょじゅつ)

 歯根端切除術とは歯根の先に歯根嚢胞(しこんのうほう)や歯根肉芽腫(しこんにくげしゅ)などの根尖病巣があり、根管(こんかん:歯根の部分で神経や血管が存在する部)の処置だけでは治癒が期待できない場合や、すでに支台や支柱が根の中に入っていて再度の根管治療が困難な場合に、外科的に根尖病巣の除去と同時に歯根の尖端の切除を行う方法で、歯としての機能を残すことができます。
  術後は抜歯後と同様の注意をし、予防的に抗菌薬、消炎鎮痛薬、うがい薬を投与します。なお、根尖病変が治癒するまでは約3か月ごとに診査を行います。通常、骨は約6〜9か月で修復されます。

歯槽骨整形術(しそうこつせいけいじゅつ)

 歯槽骨(しそうこつ)とは歯を支えている範囲の骨の部分をいいます。抜歯後に抜歯窩が治癒したあと、歯槽堤(しそうてい)は平滑となり義歯の装着に不都合はないものですが、ときには歯槽堤に骨の鋭縁や隆起が残り義歯の装着が困難なことがあります。
  歯槽骨に鋭縁や隆起などの異常部位があるために、安定した義歯の装着ができない場合、異常な歯槽骨形態の整形を行い、義歯の維持安定をはかり、咀嚼や発音などの口腔機能の回復を目的として行う手術が歯槽骨整形術です。
  術後はとくに問題となることはありませんが、粘膜の剥離が広範囲に及ぶ場合には、感染予防のために抗菌薬、消炎鎮痛薬を投与します。抜糸は1週間後に行います。

インプラント

デンタルインプラント(人工歯根(じんこうしこん))

 抜歯したり、あるいは自然に脱落したりして歯がなくなると、従来はブリッジや入れ歯を入れることにより機能を補ってきました。しかし最近では、いわば人類の夢であるデンタルインプラントも徐々に普及しつつあります。
  現在デンタルインプラントの材質としては骨と一体化するチタンが主流となっています。また、骨との親和性にすぐれているヒドロキシアパタイト(人工的に合成された骨や歯の成分)を、チタンの表面にコーティングしたものも用いられています。
 デンタルインプラントを入れるためには手術が必要となります。また、デンタルインプラントを成功させるためには、歯周病や補綴(ほてつ)に関する幅広い知識と技術が要求されます。したがって、十分な経験と技量をもつ歯科医師のみが行ないうる治療法といえます。
 一方、デンタルインプラントの植立後は、良好な状態を維持するために厳格な口腔清掃が必要です。これが長期間の予後(よご)を左右する重要な鍵となります。したがって、手術を受ける患者にもそれなりの心がけが必要となります。

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