口腔外科(こうくうげか)とは?

口腔・顎・顔面

口腔・顎・顔面

口腔(こうくう:口のなか)、顎(がく:あご)、顔面ならびにその隣接組織に現れる先天性および後天性の疾患を扱う診療科です。

この領域には歯が原因となるものから癌までさまざまな疾患が発生します。また交通事故やスポーツなどの外傷、顎変形症ならびに唾液腺疾患などの外科的疾患のほかにも、口腔粘膜疾患、神経性疾患、口臭症などの内科的疾患も含まれます。
この領域の異常は、食事や発音・会話がうまくできないなどの機能的な障害に加えて審美的な障害も生じます。治療により口腔・顎・顔面全体の自然な形態や機能が回復すると、顔全体がいきいきとし、健康的な美しさを取り戻すことができます。そのお手伝いをするのが口腔外科です。

以下の各疾患に関する説明は、現時点での疾患概念と標準的な治療法を解説しものです。今後、これらは医学・歯科医学の進歩・発展により変化する可能性があります。なお、治療法に関しては、個々の患者様の状態や希望および主治医の経験などとも関係しますので、実際の治療においては担当医とよくご相談下さい。

専門的治療を必要とする主な疾患

腫瘍(良性腫瘍・悪性腫瘍)

顎口腔領域の軟組織や顎骨に発生する腫瘍には良性腫瘍と悪性腫瘍があります。良性腫瘍にはエナメル上皮腫、角化嚢胞性歯原性腫瘍、歯牙腫、線維腫、血管腫などがあり、悪性腫瘍には癌腫、肉腫、悪性黒色腫、悪性リンパ腫、悪性唾液腺腫瘍などがあります。悪性腫瘍の大部分は癌腫で舌がん、歯肉がん(下顎歯肉がん、上顎歯肉がん)、口底がん、頬粘膜がんが多くみられます。 この領域の悪性腫瘍は咀嚼(そしゃく:噛み砕くこと)、嚥下(えんげ:飲み込むこと)、発音などの機能に関わる疾患でその治療には機能の温存のみでなく整容的な面を考えた治療が必要です。そのため腫瘍切除後には機能的・形態的再建手術が必要になる場合もあります。