理事長挨拶

鄭 漢忠 先生 お写真

(公社)日本口腔外科学会
理事長 鄭 漢忠

2018年11月1日の新理事会、総会において理事長を拝命しました。基本的にはこれまでの活動方針、方向性を踏襲しつつ、公益社団法人日本口腔外科学会の会務を遂行していきたいと考えていますので、会員の皆様のご協力をお願いいたします。

公益社団法人日本口腔外科学会は現在、会員数11,000名を超えようかという日本国内でも有数の大規模職能集団となっています。1973年度から始まった学会専門医制度は2019年1月現在で学会認定医は2,109名、専門医は1,993名、指導医は895名までになっています。2009年4月からはがん治療認定医(歯科口腔外科)が認められ、現在400名弱の口腔外科専門医が合格し、口腔がん治療に活躍しています。また、これらを発展した形として2015年より国際口腔顎顔面外科専門医の試験が始まっており、多くの会員の先生がその資格を取得しています。さらに2018年度からその上位資格である「口腔がん」と「再建」の資格試験が行われ、日本からも若干名が合格しています。

ふり返ってみますと、日本口腔外科学会は専門医制度の確立、ダブルライセンス問題に永い時間を費やしてきました。歴代理事長を初め先人の熱意と努力により、現在の日本口腔外科学会があることを、私たちは忘れるわけにはまいりません。

現在アジアでは我が国と同様にシングルライセンスの口腔外科医が主流となり、口腔がん、顎変形症、顎口蓋裂、顎顔面外傷、顎関節症等の分野で活躍しています。これはこれまでの永い奮闘努力の果実ともいえますが、近年の医学分野の多方面にわたる発展をみていますと、一抹の不安も感じざるを得ません。社会が医療分野を見る目は確実に厳しくなっています。口腔外科医の育成に医学教育を今後どのようにして、さらに充実させていくかを改めて検討していく必要があると感じています。

一方、口腔外科医が口腔領域を手術する必然性はどこにあるのかと考えたとき、その答えはひとつです。どの領域の先生方よりも口腔機能を熟知しているからです。この1点を常に念頭に置いて私たち口腔外科医は口腔機能をできるだけ保存できるような手術を通じて国民の健康増進に寄与することが大切だと思います。

日本口腔外科学会は日本歯科医学会を代表する最大規模の学会ですので、これまでの理事長が常々話されているように常に歯科界の発展をも視野に入れつつ、国民の健康増進に貢献できますように職務を全うしたいと考えておりますので、会員の皆様には重ねてご協力をお願い申し上げます。