歯と歯茎のトラブル

歯が生えてこないが・・・

歯が生えてこない原因はいろいろ考えられますので、一度口腔外科による受診をおすすめします。

1.歯の萌出遅延(晩期萌出)

一般に顎の骨の中の歯の位置や方向の異常、歯の形成不全、萌出力の不足、被覆歯肉の肥厚、乳歯の早期脱落による骨質の緻密化などの局所的原因のことが多いが、全身性のものとしては鎖骨頭蓋異骨症、カルシウム代謝障害、ビタミン欠乏症によるクル病、クレチン病、下垂体前葉の機能障害、先天梅毒などが挙げられます。

治療

X線写真で歯の位置と歯数の確認が必要です。
歯の保存が可能であれば開窓術、歯肉切除、歯の牽引などで強制的に萌出をはかります。
しかし、歯の保存が不可能で周囲組織に障害を与える場合には抜歯を行います。

2.歯の埋伏

発育、形成の完了した歯が正常な時期をすぎても萌出しないで、粘膜下あるいは顎骨内にとどまっている状態を歯の埋伏といい、その歯を埋伏歯と呼んでいます。

歯の埋伏はつぎのようなものが原因としてあげられています。

  1. 埋伏している歯自体に異常がある場合
  2. 歯の萌出を障害する因子のある場合
    1. 乳歯の早期脱落や顎骨の発育不全によって萌出部位の消失
    2. 萌出方向に嚢胞あるいは腫瘍の存在
    3. 粘膜の肥厚や局所的な骨硬化のみられる場合
  3. 顎骨に病変が存在する場合
    1. 硬化性顎炎、骨大理石病など骨硬化のある場合
    2. 歯が顎骨と癒着している場合
    3. 顎骨に外傷が生じた場合

一般に埋伏歯が存在すると、次のような継発症が起こることがあります。

  1. 埋伏歯によって正常な歯の萌出が妨げられ、歯列不正(歯並びが悪い)をおこす。不完全埋伏歯では歯周病やむし歯にかかりやすい。
  2. 埋伏歯の歯冠が隣在歯の歯根と接触していると、その部に歯根の吸収、歯のぐらつき、歯髄炎、歯周炎などが生じる。
  3. 神経枝が埋伏歯によって圧迫され、三叉神経痛様疼痛を起こすことがある。

治療

埋伏歯自身が隣在歯に障害を及ぼす場合やおそれのある時には、埋伏歯は抜歯します。
しかし、埋伏歯が有用である場合には矯正治療によって歯列内に萌出誘導させたり、また外科的に歯の移植を行います。

3.歯の先天性欠如

乳歯もしくは永久歯の一部の歯が先天的に欠如している状態を部分的無歯症といい、すべて欠如している場合を全部性無歯症という。先天異常症候群(外胚葉性異形成症、鎖骨頭蓋異形成症)の随伴症状として出現します。